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Column

自動車顧客としての女性の影響力が拡大

2014年12月25日掲載

フロスト&サリバン 自動車・交通運輸部門コンサルタント
森本尚

ここ数年において、自動車の購買プロセスにおける女性の影響力拡大が急速に進んできている。女性に対する自動車免許交付数も増加してきており、現在、米国では、女性の運転免許保有者は男性のそれを上回っている。カナダや英国でも2016年には女性の保有者が男性を上回ると見られている。日本においても、男性の運転免許取得者の増加割合は前年比+0.1%程度だが、女性は+1%と高く、男女比も5:5に近づいてきている。自動車の販売面においても、英国では、景気後退により2007年から2012年の間、男性への自動車販売台数は17%減少したのに対し、女性に対しては6%の減少に留まった。

各国の運転免許保有者の男女比(2012年)(出典:フロスト&サリバン)

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その一方で、グローバル市場全体として自動車に対する女性の満足度は決して高いとは言えない。世界全体で女性の半数が自分の運転する車に満足しておらず、74%が、女性が持つ対自動車意識について自動車メーカーから間違った認識をされていると感じている。


日産自動車やフォード、PSA、BMW(ミニ)、フォルクスワーゲンといったグローバルOEMでは、既に女性をターゲットにした新モデルの開発に着手している。都市部での走行を想定した小型車や、ラグジュアリー車やスポーツ用多目的車(SUV)といった、従来には主に男性向けであった車種においても、女性向けモデルの開発が既に始まっている。広い車内空間や直感的な操作を可能にするHMIシステム、細塵やゴミを除去する高機能エアコン、ウイルスや細菌の胞子を除去するイオン発生器、高品質なドアトリム、インストルメントパネルなどを車両に搭載することで、健康やフィットネスに向けた意識の高まりといったグローバルなメガトレンドに対応した製品開発を行っている。


弊社における様々な調査から、女性の自動車購入者をターゲットにした製品開発を行う上で考慮すべき以下の8つの主なデザイントレンドがあると考えている。
1. カスタマイズされた、広々とした車室
2. 個性的な車両外観およびサンルーフ
3. 環境やCO2排出に配慮した装備
4. 直感的な操作機能
5. 健康やウェルネスへの対応
6. 高品質素材の適用(革製シートなど)
7. 自動運転支援機能(駐車支援やキーレスエントリ機能)
8. パーソナライズ化が可能な機能(ハイヒール対応ペダルなど) 

また、自動車購入において、約80%の女性が購入前にインターネットで事前に情報を調べており、ブランドマーケティングに関するソーシャルメディアの活用も男性に比べると比較的多い。新車販売時のみでなく、アフターサービス、オーナークラブなど、よりきめ細やかなサービスの拡充も女性へのアピールには効果が大きいと思われる。顧客層としての女性の重要性が実証されつつある今、米国や英国のラグジュアリー系OEMはワークショップや女性を対象としたイベントの開催を行っている。日産自動車では、社内の「レディーファースト」認定基準を受けたディーラー店舗が現在国内に約380店舗あり、授乳室や子ども用の遊び場が併設され、女性の営業スタッフや整備士が女性客の応対を行っている。また、オンラインでは、車のレビューや、自動車購入において必要な情報などを提供する女性向けのレビューサイトも登場している。

自動車産業における女性の影響力拡大は、販売における側面だけには止まらない。ダイバーシティー(女性活用)の面において、自動車業界はグローバル業界平均で、全産業の中で最低の18%となっているが、今後あらゆるレベルの職掌において、女性の積極的な活用が進むと見られている。2020年までに、主要OEMにおいて、女性社員が全体に占める割合は、平均で25%を占め、管理職レベルでは平均で15%から20%を女性が占めると見られている。特にボルボでは既に女性管理職が全体の23%を占めており、ルノー、ダイムラー等の欧州系OEMでも管理職における女性の割合が15%前後となっている。日本の自動車メーカーにおいては、全体としてやや女性の活用において遅れてはいるが、国内における自動車全体消費の緩やかな減退とあわせ、女性をターゲットとした販売力の再構築も大きな課題として今後ますます重要な課題となってくるだろう。

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*写真キャプション:レディーファースト認定店。日産自動車系列ディーラーにて。筆者撮影。

 ※本コラムは日刊自動車新聞に2014年10月23日付けで掲載されたものです

 

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